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新刊コミック案内

鉄板の人気コミック、知る人ぞ知るディープなコミックの新刊を、3分で読めるシンプルな文章で紹介します

小山宙哉『宇宙兄弟 28』

 

南波六太の月面でのミッションと佳境に入った小山宙哉『宇宙兄弟 28』

ネット上で炎上、バッシングの対象となった伊東せりかのISSでの実験も成功裏に終わり、舞台は月の裏面での六太たちジョーカーズの活動へと移る。

彼らのミッションは、シャロン天文台をつくるために、LUNA・Sから月面に投下した12本のパラソルアンテナを正常に作動させることだった。実はそのうち、4本しかまだ正常に作動していないのだった。倒れて故障したのか、岩の割れ目に落ちたのか、地面深く埋もれてしまったのか、六太はシャロンとの約束を胸に、ジョーカーズのメンバー、ロボットの ブギ―とともに落下予想地点と向かうのだった。彼らがそこで目にしたのは…

リアル路線をとる『宇宙兄弟』は、『スターウォーズ』や『スタートレック』のような、宇宙人との対決といった派手な活劇で読者を引きつけることはできない。あるのはミッション遂行時に予想される様々なトラブルとその克服の繰り返しであり、宇宙の極限状態に置かれた飛行士たちの心の動き、そして地上の人々との絆や軋轢、葛藤といった心理ドラマが主体になる。

そんな中でも、この28巻は読者にまだ月には知られざる美しい風景が存在するのだと暗示するレゴリスのシーンはひときわ印象的である。

六太は月に達したが、弟南波日々人は今?28巻は、宇宙船上に残された二人のわずかな絆を垣間見せるだけである。