大場つぐみ×小畑健『プラチナエンド 1』
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『デスノート』、『バクマン。』の大場つぐみと小畑健のゴールデンコンビが久々に組んで送る新作『プラチナエンド』は、『バクマン。』の作中作の『REVERSI』を思わせる天使の登場するバトル物のファンタジーだ。
あらすじ
架橋明日(かけはし みらい)は、中学の卒業式のその日に、「幸せになりたかった」という言葉を残し、ビルの屋上から飛び降りて自殺する…自殺したはずだった。だが、彼の自殺は中断され、ナッセという天使が彼の前に現れる。そして、彼に<自由>の翼と<愛>の矢を与えることで幸せにするという。
だがいったん受け取ると死なない限り拒絶できないその力は、次の神を選ぶ競争への参加を同時に意味した。13羽の天使によって選ばれたのは明日を含めて13人の人間。与えられた翼は、自由に空を飛び回ることができ、赤の矢は相手を自分に好きにさせ自在にコントロールする力を持つが、白の矢を放つとたちどころに相手を殺してしまう。
そして、たちまちのうちに、13人のうちの一人が別の一人の白の矢によって消されてしまう。これは、神候補同士がひたすら殺し合うバトルロワイアルなのだろうか。
高校に入学した明日が、入学式の日に目にした天使のついた相手は、何と彼の好きな少女だった。そして、少女は明日に対して驚愕の行動に出る。それは…
天使の力を与えられて、欲望の限りを尽くす者、正義の味方を名乗り悪を退治する者。その力によって同時に恐るべき人間の性が引き出されるが、それが同じ高校という狭い世界を舞台とすることで、恋の要素がからみ合う。そして、最後に殺し合いの末一人が残るのか、それとも善や愛の要素がからんで別の物語をたどるのかは、まだ誰にもわからない。この予測不可能な展開ゆえに、『プラチナエンド』は、『デスノート』同様、読み出したら止められない中毒性のコミックになりそうである。