新刊コミック案内

鉄板の人気コミック、知る人ぞ知るディープなコミックの新刊を、3分で読めるシンプルな文章で紹介します

大場つぐみ・小畑健『プラチナエンド 2』

『デスノート』そして『バクマン。』を生んだ大場つぐみ原作、小橋健のゴールデンコンビがおくる『プラチナエンド』も第二巻。かなり複雑なルールを持ったストーリーなので、若干の解説が必要だ。

 

 

【第一巻のあらすじ】

神が引退を宣言したため、天使たちは人類から選ばれた13人の神候補の中から、一人の新しい神を選び出すように、求められる。神候補は、担当となった天使のランクに応じて、空を飛べる翼、相手に自分を好きにならせコントロールできる赤の矢、相手を殺すことのできる白の矢のいずれか、あるいはそのすべてを手に入れることができる。主人公の架橋明日(かけはし みらい)についた天使ナッセは特級であったがゆえに三つすべてを明日は手に入れることができた。

一巻では一人の神候補が、正義の味方メトロポリマンを名乗るもう一人の神候補によって殺された。

 

これで神候補は12人になった。メトロポリマンは、自らが神になるために、他の11人の神候補も殺そうとしているのだろうか。

 

【そして第二巻へ】

第一巻のラストでは、学校に登校しようとした明日が、好きな女の子のに赤の矢に刺される。彼女は殺すための白の矢も、飛ぶための翼も持ってはいなかった。咲についた天使ルベルが望んだのは、明日の抹殺ではなく、むしろ咲の保護だったのだ。

かくして明日は咲の家に身を寄せながら、力を合わせることになるが、咲が明日に対して好意を抱いているかどうかは微妙だった。

テレビを通じて、メトロポリマンが球場に神候補に話し合いのための結集を呼びかける。

罠とは知りながらも、球場に出かける明日と咲だったが、メトロポリマンの前に、現れたのは、メトロブルーとメトロイエロー、そして一人の少女だった。彼らも神候補なのだろうか。

その後に二人が目にした光景とは?


他の神候補をことごとく殺しながら、一歩一歩神へと近づこうとするメトロポリマン。彼はさらに殺した他の神候補の翼や矢を、自分の味方に与えることさえできるのだ。

パワーアップしたメトロポリマンによって、明日と咲は追いつめられ殺されるのを待つばかり。生きのびるためには、他の神候補を味方につけるしかない。いつしか、ゲームはメトロポリマンと明日たちとの団体戦へと変わってゆくのだった。

『デスノート』に類似したゲームの規則による知能戦バトルものであるにもかかわらず、今一つ巷の評判がよくないのは、主人公架橋明日が意志薄弱で、この世の中を支配しようといった気持ちがほとんど見られないからである。『デスノート』との差別化のため、弱く善良な人間が、強い悪人に勝つ方法をあえて模索するという無理目の設定を行ったのかもしれないが、はたして長期的にその設定が説得力を持つようになるかどうか。ここはゴールデンコンビの次なる妙手を期待したいところである。