新刊コミック案内

鉄板の人気コミック、知る人ぞ知るディープなコミックの新刊を、3分で読めるシンプルな文章で紹介します

諌山創『進撃の巨人 18』

f:id:kamiyamasahiko:20160117204718j:plain
進撃の巨人 18

16,17巻とヒストリアらレイス家の人々、浅からぬ因縁のあったリヴァイケニーと、登場人物たちの過去の謎を明らかにしてきた諌山創『進撃の巨人』だが、18巻ではいよいよエレン・イェーガーの生い立ちが語られる。自分の息子を実験台にすることを厭わない非情の父親や母親の息子に向けた言葉には『新世紀エヴァンゲリオン』の影響が感じられる。

リヴァイに率いられたエレンたち調査兵団は、訓練兵団の教官シャーディスのもとを訪ねる。彼は、エルヴィンの一つ前の調査兵団団長であり、エレンの生い立ちを、そしてエレンの父グリシアや母カルラの秘密を知る唯一の男だったからだ。

シャーディスがグリシアと会ったのは今から20年前、壁の外、ウォール・マリアのシガンシナ壁門の前でのことだった。彼は名前と、医者であること以外自分のことも、世界のことも何も知らなかった。シャーディスが連れて行った酒場でグリシアとカルラは出会い、やがて結婚、エレンが生まれる。5年前エルヴィンに地位を譲ったシャーディスは、グリシアの元を訪ねるが、すでにウォール・マリアは破られ、あの悲劇が訪れる。そしてグリシアはエレンとともに森へと向かったのだった…

ウォールに空いた穴を塞ぐための切り札、エレンの硬質化能力を手に入れた調査兵団は、いよいよウォールマリア奪還計画に取りかかる。巨人たちからの自由を求めて、そして今なお残る謎を解く鍵の秘められた地下室を求めて。人類の命運を賭けた一戦が、エレンたちの故郷を舞台に今まさに始まろうとしていた。